アンダーグラウンド・ミュージックとポップ・ミュージックの融合。書くのは簡単だが、実践するのは困難を極める。アンダーグラウンド・ミュージックとは、既存のフォーマットの枠組みに収まらない革新的な音楽であり、基本的に一部マニアの間で熱狂的に支持されている。一方、ポップ・ミュージックとは、読んで字のごとく一般大衆にも受け入れられるポピュラリティーを獲得した音楽。わかりやすく親しみやすいのでむしろ好事家からは敬遠されてしまうに違いない。その両者の垣根を飛び越えるには、相反する方向性を内包する必要があるし、どちらのファンにも受け入れてもらえる絶妙のバランス感覚が必要とされる。
群を抜いて先鋭的
イギリスのレーベル、BROWNDSWOOD RECORDINGSからアルバムデビューを果たしたアヌーシュカは両者を融合した稀有な新人アーティストだ。トラックメイカーのマックス・ウィラーとボーカリスト、ヴィクトリア・ポートからなる2人組のユニットで、この夏、僕はモンテネグロのSOUTHERN SOUL FESTIVALという野外イベントで彼らのライブを体験している。