1995年1月17日に発生した阪神大震災は、近代化された都市を襲った未曽有の災害だった。しかし、震災5年で仮設住宅は解消し、10年で街がほぼ復旧。神戸市に災害医療や、心のケアなどの拠点施設が整備され、さまざまなボランティア活動が展開された。
一方で、課題も残っている。被災者向けの災害復興公営住宅のうち、自治体が民間などから借り上げた住宅が2015年度から順次、20年の返還期限を迎える。
神戸市などは年齢や要介護度など入居継続の要件を設けているが、高齢者や障害者の孤立がますます深まることが懸念されている。
≪「母のおかげで生きている」 思い出抱き、美容師に≫
「私が今生きているのは母のおかげ」。阪神大震災で母を亡くした神戸市東灘区の美容師、銘田奈津紀さん(26)は、これまで胸にしまい込んできた思いとともに、東遊園地で開催された「1・17のつどい」で遺族代表あいさつに立った。
悲しみを乗り越え、美容師になる夢をかなえた銘田さん。時折声を震わせながらも、母、さつきさん=当時(33)=の分まで生きることを誓った。