記者会見する、朝日新聞の渡辺雅隆新社長(左)と飯田真也新会長(右)=2014年12月5日、大阪市北区の大阪国際会議場(門井聡撮影)【拡大】
【メディアと社会】
今、日本のメディアは新聞もテレビも衆院選一色である。選挙は有権者が自己の将来を託す「選良」を選ぶ最大のチャンスであり、法的権利かつ義務でもある。それは民主主義を根底から支える不可欠なプロセスであり、棄権について「それもまた民衆の意思表示だ」とうそぶくのは、最低限の社会参加義務の放棄にほかならない。
しかし、何とかして選挙に関心をもたせ、投票所に足を運ばせようとする手法が著名タレントの起用であったりするのはなさけない。新聞の一面やテレビのヘッドニュースを見る限り、今回もまたメディアによる選挙関連報道の多くが、当選者数を競馬の予想紙と同じように予測するもので、日本が今日のグローバル社会でどのような進路をとるべきかの議論がかすんでしまっている。
放送はBPOで成果
一方で最近、メディア関係者が集まるとかならず話題になるトピックの第1は、日本テレビがアナウンサーで採用する予定だった女子学生の内定をバイト歴を理由に取り消した問題で、第2が朝日新聞の一連の誤報をめぐる問題である。