「まだその段階ではない」
官邸サイドの翁長氏への不満はそれだけではない。辺野古移設に反対といいながら、普天間の危険性除去についての言及を避けている。
菅氏は、昨年の県知事選の前から「どういう形で危険除去をするのか県民に説明する義務が当然ある」と翁長氏を批判していた。今月9日のBSフジ番組では翁長氏と会うタイミングについて「政治判断が必要なときは会わなければまずいと思うが、今はまだその段階ではない」と語った。「危険性除去」の回答を出すのが前提という立場だ。
また、政府は仲井真氏の埋め立て承認を受けて、辺野古移設に向けた工事を粛々と進めることにしている。だが、政府筋が「知事と官邸が反対を向いていても解決しない」と指摘するように、普天間問題を進展させる上で、翁長氏との関係を放置できないのは事実だ。また、翁長氏はかつて、自民党県連幹事長だった。
官邸サイドには、翁長氏に強く出られない苦悩と、翁長氏の「転向」への期待とが交錯している。要は翁長氏の真意を測れずにいるのだ。官邸サイドが沖縄に足を運ばないと進展は期待できないのか。逆に反対派を勢いづかせ、事態を膠着(こうちゃく)させるリスクはないのか。沖縄問題の司令塔を担う菅氏は、ただ座しているだけではないだろうけれど…。(峯匡孝/SANKEI EXPRESS)