安倍晋三首相(自民党総裁)は24日、衆参両院本会議での首相指名選挙で第97代首相に選出された。皇居での首相親任式と閣僚認証式を経て、公明党との連立による第3次安倍内閣が発足した。政治資金問題を理由に続投を固辞した江渡聡徳(えと・あきのり)防衛相兼安全保障法制担当相の後任に中谷元(なかたに・げん)・元防衛庁長官を起用し、残る閣僚は全員再任した。新政権は与党で3分の2超の議席を維持した先の衆院選で争点に据えた、政権の経済政策「アベノミクス」を推し進め、デフレ脱却による経済再生に最優先で取り組む。長期政権を実現する上でも、景気浮揚の成否が鍵となる。
防衛相に中谷氏
「デフレ脱却を確実なものとする。アベノミクスの成功が最大の課題で、さらに進化させていく」
安倍首相は、政権発足後の記者会見で、経済再生に最優先で取り組む考えを強調した。
首相はこの日夕、官邸で公明党の山口那津男(なつお)代表と党首会談を行い、自公連立政権の継続を確認。その後、官邸に組閣本部を設置し、菅義偉(すが・よいひで)官房長官が閣僚名簿を発表した。3人の官房副長官、5人の首相補佐官も全員再任された。閣僚担務では、有村治子女性活躍担当相が兼務していた消費者・食品安全の担当を、山口俊一(しゅんいち)沖縄北方担当相に移した。