その店内。広さ約66平方メートルと京都では中規模で、カウンター12席を含む30席だが、女性好みのしゃれた雰囲気で、実際「主要顧客層は30~40歳で6割は女性」(廣岡氏)という。
そして料理の方も、一般的なスペインバルのものより味、盛りつけともに高級感がある。京都府の美山や和知の野菜を中心に塩とレモン風味のオリーブオイルで仕上げた「ポキートサラダ」は素材の新鮮さにイタリア料理の要素を導入。「カキのアヒージョ」も旬のカキのジューシーで濃厚なクリーミーさが口に広がる。
また、ピューレ状にした春菊と魚介の滋味深いだしを合わせた珍しい「魚貝と春菊のパスタ」は、春菊の青さとムール貝やエビとの相性が抜群。「季節感を演出するため、夏は春菊の代わりにズッキーニを使ったりしますね」と廣岡氏。
地元食材にこだわり
さらに「タラの白子のムニエル イカスミソース」は視覚的な美しさにもこだわった逸品。お皿の外周に書道のごとく描かれた紋甲イカのイカスミソースが印象的だが、当然ながらムニエルされた旬のタラの白子が味わい深い。本場・スペインでは魚の白子は食べないそうだが「京都でどう提供するかに重点を置いている」(廣岡氏)とのこと。