トビリシの街中も同様だった。街の中心部にある国会議事堂には、グルジア国旗とともにEU旗が掲げられていた。「ここで、バラ革命が始まったのです。人々は自然とこの場所に集まり、それが革命になりました。誰も血を流さなかったのです」。市内の大学に通う女子大生が、誇らしげに語ってくれた。
バラ革命とは、2003年11月の議会選挙で不正があったとして、数万人の市民がこの議事堂前や市中心部の自由広場で抗議の声をあげ、政権が交代した革命だ。すでにソ連からの独立後の話だが、市民の間には「国民の自由な意思が政権を変えた」経験として、新たなグルジアを象徴しているとの思いがあるようだ。
中世思わせる石畳
トビリシの街並みは、ムトゥクバリ川沿いに続く、中世を思わせる石畳と木造の家々が立ち並ぶ旧市街に象徴される。「これが旧ソ連?」と思うほど、ソ連時代の特徴である無機質なコンクリートの建物が少ない。なかには、硫黄泉を引き込んだという、独特の浴場もあった。トビリシという名前はグルジア語の「トビリ(温かい)」に由来しているとの伝説もあり、その理由はもちろん、この浴場にある。