【Viva!ヨーロッパ】
英国南部にある石柱遺跡のストーンヘンジは、誰が何のためにつくったのか、いまだわかっていない。最新の技術で地中の調査が行われ、遺跡が周辺にも多数存在していることが最近、明らかになった。鉄器も文字もなかった約4500年前、はるか遠くから重い巨石を運んでつくられた石柱群は今も多くの人々をひきつける。巨石をも動かす先史時代の力にあやかろうと、不思議なパワースポットに出かけてみた。
「住人」は小鳥たち
英国名物のヒツジたちが草をはむ緑の丘陵地帯を、小高い丘の上の方に歩いていくと、突如、灰色の石柱群が目の前に現れた。建設された当時は、白かったが、時とともに灰色に変色したという。
石柱は環状に立てられ、その周りには、遺跡を巡る観光客のために歩道がつくられ、周囲から遺跡を眺められるようになっていた。太陽の光の当たり具合いや遺跡への距離、角度によって、同じ石柱でもさまざまな表情を見せてくれる。
石柱に最も近い所に、人だかりができていた。近づくと、小鳥の群れが石柱の上から行き交う観光客を見下ろし、時折、歩道近くに降りてきて観光客におこぼれをねだっていた。