10月25日、後藤さんは最後のメッセージを残し、別のシリア人ガイドの男性と消えた。産経新聞の電話取材に対し、ザイムさんは、この男性はジャーナリストを名乗り、イスラム国にも詳しいが、「ガイドとしての実績は不明だ」と話した。ザイムさんは後日、男性に連絡を取ったが「知らない」と繰り返すばかりで連絡は途絶えた。「イスラム国には人の心もなく、手段も選ばない。止めない私がいけなかったんだ…」。ザイムさんは何度も自分を責めたという。
「解放される保証なかった」
一方、ヨルダンのバッサム・マナシール下院外交委員長は1日、首都アンマンで共同通信の取材に応じ、イスラム国は「人質交換」交渉で真剣さや誠実さに欠けたため信用できず、要求通りヨルダンで収監中のサジダ・リシャウィ死刑囚を釈放しても「後藤さんが解放される保証はなかった」と述べた。