マナシール氏はイスラム国が拘束しているヨルダン軍パイロット、モアズ・カサスベ中尉(26)の奪還を期待する報道が過熱気味で、もし女死刑囚との交換で後藤さんだけが解放され、中尉の拘束が続けば、国民の不満が爆発して「革命が起きて政権が転覆しかねなかった」とも指摘。イスラム国を信用できなかった理由としては、中尉が生存している証拠を示さず、女死刑囚を釈放した後の中尉の安全を保証しなかったことを挙げ、「日本政府も同じ認識を共有している」と述べた。中尉の現在の安否については「五分五分」との見方を表明。既に殺害され、イスラム国が遺体と女死刑囚の交換を求めてくる可能性などがあると語った。
警察当局も聴取を検討
後藤さんをイスラム国に案内したとされるシリア人ガイドの男性とみられる人物は1日、自身のフェイスブックに「できる限りのことをしたことを皆に知ってほしい。彼に起きたことは本当に残念です。最後まで彼とまた会えると信じていた。彼の妻と娘たちに哀悼の意を表す」と英語でコメントした。
真相解明の鍵を握る「謎のガイド」の存在を日本の警察当局も注視しており、関係国とも連携して特定を進め、事情聴取を検討する方針だ。警察当局は国外犯規定に基づき人質強要処罰法の人質殺害容疑を視野に捜査するが、日本の警察に国外での強制捜査権限はない。シリアは内戦中で捜査員の派遣は困難とみられ、当事国の協力を得られるかも不透明で、捜査は現地の治安情勢に左右される。(SANKEI EXPRESS)