「交渉役に名乗り出た意図が不可解だし、イスラム国への人道支援は非現実的だ」。捜査関係者は首をかしげる。そして中田氏とイスラム国幹部との関係を認めた上で、こう指摘する。
「イスラム国とつながる人物が日本にいたという意味でも大きなインパクトがあった」
対岸の火事ではない
日本は地理的・人種的な側面から国際テロが浸透しにくいとされてきた。ただ2001年の米中枢同時テロを実行した国際テロ組織「アルカーイダ」関係者らが02~03年、国内に潜伏していたことが判明。警視庁公安部が摘発したが、入管難民法などでの立件にとどまる“限界”も露呈した。
米当局に拘束されたアルカーイダの元幹部は、02年のサッカーワールドカップ(W杯)日韓大会で日本を狙ったテロ計画を明かし、「日本に十分なネットワークがなく、支援が困難だったため断念した」と説明している。警察幹部は警鐘を鳴らす。
「国際テロリズムはより拡大し、深化している。対岸の火事ではない」(SANKEI EXPRESS)