ユニークな世界観
もうひとつ注目したいのが、クラップ!クラップ!という変わった名前のクリエーター。イタリア人トラックメーカーが作るサウンドは、とにかくユニークのひとこと。土着的な雰囲気の音色と最新のダンスミュージックが混じり合った不思議な世界を構築している。ジュークやベース・ミュージックといった最先端のビートをベースにしながらも、1980年代風のシンセサイザーが効果的に使われていたり、アフリカやアジアの民族音楽のエッセンスをさりげなく挿入したり、何が飛び出すかわからない驚きに満ちている。また、アルバム全体が架空の島における物語をコンセプトにしており、それぞれの楽曲ごとに解説が付けられているのも面白い。トライバルな世界に身を委ねながら、冒険気分を味わうのもいいだろう。いわゆるクラブ・ピープルだけでなく、ワールドミュージック好きにもアピールする内容に思わず感嘆させられる異色作だ。(音楽&旅ライター 栗本斉(ひとし)/SANKEI EXPRESS)