文部科学省は4日、2018年度以降に教科化される小中学校の道徳について、学習指導要領の改定案を公表した。国際化やいじめ問題などに対応した指導項目を新たに追加したほか、授業で討論や意見表明などの言語活動を充実させることや、問題解決型学習を取り入れるよう明記。現行の道徳教育では、読み物中心の形式的な授業が広がっていることを踏まえ、「考え、議論する道徳授業」への転換を求めた。
改定案では、学年ごとの指導内容について「善悪の判断」「相互理解、寛容」「公正、公平」などのキーワードを示し、教員が何を教えるのか理解しやすいよう記述を明確化した。
現行の指導要領で、小学3年以上としている「国への親しみや愛着」を、小学1年から前倒しして教育するよう改めたほか、いじめ問題対策のため、小学校低学年から「公平性」を教えるなど、近年変化が著しい国際化や社会問題に対応した記述を追加した。
指導方法についても多くの部分で変更を加えた。急増するインターネットを使ったいじめなどに歯止めをかけるため、「情報モラル」の指導を「留意する」から「充実する」に強めた。