東京都内の特別養護老人ホームで空いたままのベッド。人手不足で新規入所の受け入れ停止を検討中だ=2015年2月6日(共同)【拡大】
処遇改善加算で実際に賃上げは実現するのか。懐疑的な見方も多い。6日の社会保障審議会の分科会では、委員から「賃金アップは極めて不確かだ」との指摘が相次いだ。国会論戦でも、民主党の山井和則衆院議員が「収入が減る事業者が、どうやって賃金を上げられるのか。机上の空論だ」と批判した。
小規模は淘汰も
兵庫県伊丹市で特養を運営し、訪問介護も手がける社会福祉法人の理事長は、在宅サービス重視の改定をにらみ、訪問介護の業務量を増やすことも模索している。しかし「介護に不慣れな新人職員は目が届く施設の方が教育しやすい。経験が問われる在宅は人材確保のハードルがより高い」と頭を抱える。
都内の福祉系コンサルタントは「小規模事業者は淘汰される可能性もある」と指摘。「事業者にとっては厳しい『いばらの道』だが、給与増を実現しなければ人材は集まらない。改定で厚労省の誘導するサービス内容に合わせなければ生き残れないだろう」と話す。