モスル奪還には米地上戦闘部隊の参戦が不可欠だが、オバマ氏は派遣に慎重だ。チャック・ヘーゲル国防長官(68)の更迭が決まったのも、地上軍派遣をめぐって大統領と意見が対立したためとされており、米軍や国防総省幹部の発言もオブラートに包まれたように控えめである。ただ、イスラム国の蛮行が再三再四伝えられるにつけて、徐々に風向きが変わっている。
中央軍のロイド・オースティン司令官(61)と米軍制服組トップのマーチン・デンプシー統合参謀本部議長(62)は最近、攻撃の標的特定でイラク軍を手助けする少人数の米軍兵士が現場で必要になるケースも想定しうるとの見方を示している。中央軍の当局者はCNNに「当面、米軍はイスラム国によるモスルの防御態勢に関する情報収集に努めているが、防御の堅さによっては、イラク軍に随行させる米地上部隊の派遣を政府に提言する」と話している。流れは米地上部隊参戦不可避になってきている。(SANKEI EXPRESS)