「チェーホフが見て喜ぶようなものを」と三女イリーナ役に挑む蒼井優(ゆう)さん=2014年12月18日、東京都渋谷区(早坂洋祐撮影)【拡大】
そう話す蒼井は余、宮沢とは実際の姉妹のような信頼関係で結ばれ、稽古に取り組んでいる。「チェーホフは台本を読むごとに印象が変わる。通常の稽古期間では足りない。『KERAさんの頭の中を超えることを私たちがして、指示を受けて向上していきたいね』と話しあっています」
特に宮沢は、舞台出演がほぼ1年ぶりとなる蒼井に演技をアドバイス。「同性同士では言わないことが多いのに『こう動くともったいない』『今のだと、優がどういう気持ちで言っているのか分かりづらい』など、いろんなことを教えてくださる」。そんな2人を、余は温かく包み込んでいるようだ。
人間関係の機微を描くチェーホフの戯曲は、日本でも繰り返し上演されてきた。根強い人気の背景は「19世紀末のロシアでも現在の日本でも人間の滑稽さは変わらない。私のようなうだつのあがらない生き方をしていても(笑)それが人間なんだと言っているからでは。客席の皆さんと私たちの日常の延長線上に舞台があればと思います」。