ファイティングポーズを取りながら、2015年版「国家安全保障戦略」の発表会場に現れたスーザン・ライス大統領補佐官(左から2人目)。ポーズとは裏腹に、戦略文書の内容はオバマ政権の「へっぴり腰」ぶりを正当化する以上のものではなかった=2015年2月6日、米国・首都ワシントン(AP)【拡大】
国家安全保障担当のスーザン・ライス大統領補佐官(50)は6日、クリントン氏が5年近く前に演説したのと同じワシントンのシンクタンク「ブルッキングス研究所」で15年版戦略を説明。大規模な地上部隊を送ることなく、同盟国や友好国との協力でテロと戦うという米国の指導力のあり方を説いた。
デニス・マクドノー首席補佐官(45)、バレリー・ジャレット上級顧問(58)とともにオバマ氏のインナー・サークルを形作るライス氏は、国家安保戦略の策定を遅らせたことで米議会の不評を買った。昨年10月、ニューヨーク・タイムズ紙はライス氏が内部で語ったこんな発言を伝えた。
「もし2月か4月か7月に発表していたら、2週間後には実際の出来事によって追い越されていたでしょうね」
不満吐露した国王
ライス氏の発言は、昨年起きたロシアのウクライナ・クリミア半島併合(3月)、「イスラム国」によるカリフ制国家の樹立宣言(6月)、エボラ出血熱感染の急拡大(6月)といった事態に、オバマ政権が戦略なく対処していたことの証拠だ。