ファイティングポーズを取りながら、2015年版「国家安全保障戦略」の発表会場に現れたスーザン・ライス大統領補佐官(左から2人目)。ポーズとは裏腹に、戦略文書の内容はオバマ政権の「へっぴり腰」ぶりを正当化する以上のものではなかった=2015年2月6日、米国・首都ワシントン(AP)【拡大】
搭乗員の安全確保は、昨年12月のヨルダン機墜落を受けて空爆作戦への参加を見合わせたアラブ首長国連邦(UAE)が米政府に求めていた措置だ。米軍はUAEが空爆再開の条件とした新型垂直離着陸輸送機オスプレイではなく、ヘリコプターを配備したと伝えられている。
「これはミッション・クリープではない」。マクドノー首席補佐官は昨年11月、米軍がイラクへの最大1500人の増派を決めた際、こう語った。
ミッション・クリープとは、戦力の逐次投入によって任務が終わりの見えない展開になることだ。ベトナム戦争がその典型例で、米国にとってのトラウマになっている。当局者がこれを否定するのは当然だ。
だが、捜索・救難ヘリに不測の事態が起きても、オバマ氏は地上部隊の派遣を否定するのだろうか。軍の意見に耳を貸さず、イスラム国に活動の場を与えた米軍のイラク撤退を自らの成果として誇るオバマ氏。残り2年の任期で目標とするイスラム国の「弱体化」だけでなく、「最終的に壊滅」させる戦略がなければ、ミッション・クリープの泥沼に入り込む恐れがある。(ワシントン支局 加納宏幸(かのう・ひろゆき)/SANKEI EXPRESS)