会談後の共同記者会見でオバマ大統領は、「軍事的な解決の見込みは低い」と述べ、交渉による打開が望ましいとの考えを示した。
そのうえで「外交が失敗した場合のあらゆる選択肢を検討するよう、指示してある」とし、「選択肢には防衛的な殺傷兵器(のウクライナ軍への供与)も含まれている」と語った。
武器供与の可能性については、メルケル首相との会談で協議したほか、「他の同盟国とも相談している」と指摘。しかし「まだ決断はしていない」と強調し、メルケル首相らによる今後の外交努力の行方を注視する考えを示した。
オバマ大統領はこれまで、ウクライナ側の度重なる殺傷兵器供与の要請にもかかわらず、慎重だった。親露派がここにきて一段と攻勢を強めていることへの危機感が、姿勢変化の背後にあるとみられる。
メルケル首相は、軍事的な解決はあり得ないとの考えを改めて表明。11日に行われるウクライナとロシア、ドイツ、フランスの4カ国首脳会談では「(ドイツは)仲介者ではなく、欧州の平和秩序の権益を守る」と強調した。
同時に、ロシアの対応次第では、追加制裁もあり得るとの認識も示した。