「神社の境内に結ばれているおみくじを美しい形に表現できないかと考えました。思いが言葉に結ばれ、人を結んでいきます。書いて残すことの意味を大切にし、箱庭や盆栽をめでるなど小さな世界に命を吹き込み、豊かな四季を味わう日本人の感性に響くものでありたいと願っています」
吉澤光彦代表は、父親が経営する封筒製造会社から独立して四半世紀が過ぎ、「丸めて、折って、結ぶ。それを形にするのに長い時間を要しました」と創業当初から胸にあたためた思いの結実だと振り返り、むすびんも生み出した。
むすびんは、ペーパークラフトのメジロやインコ、スズメなどがかわいい立体型の一筆箋(いっぴつせん)。本体をほどいて内側に文章を書き、元の形に戻して宛名つきの台紙を添える。どちらも透明ケースに入れられ、プレゼントとして包む際に平面的になりやすい文具類をそのままリボンをかけただけで愛情ある贈り物となる心配りも美しい。デザイナーの鋭敏な感覚が具体と抽象の絶妙なバランスに昇華し、製品ごとに型抜き用の刃型が特注されるなど職人の技と精神が集積している。