新たなベジタリアンメニューの開発を行うみんなのごはんの代表、岩溪さん(左奥)ら。ソーシャルビジネス支援融資プログラム「CHANGE」では融資先の企業と定期的に会議を重ね、円滑に事業成長できるようなサポートを行っている=2015年1月27日(日本財団撮影)【拡大】
例えば、事業者の形態がNPO法人であれば、現行の制度上、金融機関から融資を受けることは非常に難しい。株式会社であったとしても、事業に社会性と収益性を両立させようとするSBは金融機関から十分な理解を得られないケースが多い。結果的に、SB事業者は活動の資金源を比較的少額な寄付金や用途制限が厳しい助成金といった資金に頼らざるを得ず、思いどおりに事業規模を拡大することは困難であるのが現状だ。
「業界を変える先駆者に」
この状況を打開するため、日本財団は13年6月から、コミュニティービジネス向けローンの提供などで地域づくりに積極的に取り組んでいる西武信用金庫(本店・東京都中野区)や社会起業家育成で定評のある特定非営利法人「ETIC.」と連携し、新たなSB支援融資プログラム「CHANGE」を実施している。固定金利0.1%で据え置き期間1年という好条件に加え、融資を受けたSB事業者に対して金融のプロの視点から経営サポートなども行っている。初めて金融機関から融資を受ける事業者にとって、成長を応援する経営サポートは非常に心強く、岩溪さんは「資金の融資だけでなく、SBに関するノウハウや経験、そしてビジネスチャンスを提供してもらえるのは非常にありがたい」と話す。実際、経営サポートがきっかけで、みんなのごはんが提供するレシピは、日系航空会社の機内食として採用された。