韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領への名誉毀損(きそん)で在宅起訴された産経新聞の加藤達也前ソウル支局長(48)が、自らへの出国禁止延長措置の執行停止を求めて申し立てた仮処分の審尋が13日、ソウル行政裁判所で行われ、李承●(=土へんに宅)(イ・スンテク)裁判長は申し立てに理由がないとして棄却する決定を下した。
出廷した加藤前支局長は「これまでに開かれた3回の公判にも誠実に対応してきた」と強調。昨年10月に東京本社社会部への異動が発令されたにもかかわらず日本に帰国できないため、「国民の知る権利に応えるという記者としての役割を果たせていない」などと意見陳述し、出国禁止延長措置の執行停止を求めた。
また、産経新聞社も「(日本に残された加藤前支局長の)家族は甚大な精神的苦痛を受けており、人道上無視できない」と指摘した上で、出国禁止延長措置の執行が停止されて加藤前支局長が日本に帰国したとしても、「裁判に必ず出席することを保証する」などとした上申書を裁判所に提出した。
これに対し、李裁判長は棄却理由として、(1)加藤前支局長は韓国に4年以上生活し、多少、在留期間が延びても耐えられないほどとは言えない(2)加藤前支局長の家族は韓国入国を禁止されていない-などとした。