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心の奥底をたたくと知らない音が聞こえる 舞台「夏目漱石とねこ」 DULL-COLORED POP (1/2ページ)

2015.2.14 11:30

舞台「夏目漱石とねこ」。(東京)2月15日公演(石川純さん撮影、提供写真)

舞台「夏目漱石とねこ」。(東京)2月15日公演(石川純さん撮影、提供写真)【拡大】

 人気コミックが原作の「プルートゥ PLUTO」の上演台本も手がけた新進気鋭の劇作家、谷賢一が主宰する劇団の新作は、夏目漱石の知られざる素顔を題材とした。かつて谷が別の劇団のために書いた作品を大幅に改訂。30代半ばで作家に転向した漱石の孤独や人間関係の軋轢(あつれき)、秘めた恋などを、史実に基づき、猫と一緒にのぞき込む形を取っている。

 胃を患い臨終間近の漱石の枕元に、「我輩は猫である」の主人公や、留学先のロンドンや教師を務めた愛媛県などから、本人を知る猫たちが集まってくる。里子に出された子供時代、正岡子規との交流、女流歌人、大塚楠緒子との恋などが猫を通して語られていく。引っ越しを繰り返し、妻や子供に対する家庭内暴力もあったなど、意外なエピソードも登場する。

負の事実を隠して生き抜いた

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