【金賞】
■COS KYOTO株式会社 十六夜 izayoi
きらびやかで繊細な糸のように細かく裁断された箔(はく)の隙間から、興趣をたっぷり含んだ光がこぼれ出す。雲居に望む月のおぼろげな姿にいっそうの詩情を覚え、四季のめぐりに寄り添うかすかな変化に心を通わせる日本的な感性が昇華している。十五夜の次の宵、昨日よりもわずかに遅れて顔を出し、真円にほんの少しだけ及ばない月のたたずまいに、はにかむような感覚を見立てて、みやびやかな言葉に表した奥ゆかしい精神が立ち上る。
西陣織に伝わる引箔を使い、長く京都に居を構える照明製造の工房で生み出され、伝統の技と精神を継承し、現代の暮らしをより豊かにする新たな提案を投げかける。COS KYOTOの北林功代表は、現代の素材、技術、人を結び、季節の移ろいを鋭敏にすくい取り、洗練された文化を生んできた京都の視点からものづくりを進めている。
「伝統的な素材や工芸を現代に再デザインし、日常に生きる新しい価値を生み出したいと考えています。第一線で活躍するデザイナー、西陣織の製造卸の主人と仕事を進め、西陣織の帯などに使われる引箔の職人と出会いました。和装の将来について話し合い、優れた技を100年後に残したいと、和の照明をつくることに行き着きました」