世界中からハッカーが集まる会議「カオス・コミュニケーション・コングレス」の参加者たち。ハッカーたちの技術は政府や企業の予想を超える速度で進化している=2014年12月27日、ドイツ・ハンブルク(AP)【拡大】
カスペルスキーの北米事務所(米ボストン)のマネージング・ディレクター、クリス・ドゲット氏もニューヨーク・タイムズ紙に「サイバー犯罪の戦術や方法の中で最も洗練された攻撃法だ」と述べ「『カーバナック』を用いたサイバー強盗は、金融機関に対する高度なサイバー攻撃の増加を意味している」と警告した。
新手口狙いは銀行本体
さらにカスペルスキーはBBCに、今回発覚した方法が「従来のように銀行顧客を狙う方法ではなく、銀行本体から大金を盗むもの」と説明、サイバー強盗の手口が新段階に入ったとして危機感を募らせている。
昨年末に発生した米ソニー・ピクチャーズエンタテインメント(SPE)へのハッカー攻撃以来、政府や企業がサイバー犯罪への対応を強めているが、ハッカー側の進化の速度は想像以上だ。ユーロポールのサイバー犯罪部門のトップ、トルールス・オーティン氏は昨年10月、BBCのラジオ番組で、世界のサイバー犯罪で中心的役割を果たしているのは約100人で、その大半がロシア語圏に住んでいると明かし、「彼らを取り締まる必要がある」と訴えていた。(SANKEI EXPRESS)