2月15日、リビアで拘束されていたエジプトのキリスト教の一派、コプト教徒21人が殺害されたとみられる映像がインターネット上に公開されたのを受け、安全保障関係の閣僚と軍幹部を集め、対応を協議したエジプトのシシ大統領(中央)。席上、リビアでの空爆を決めた=2015年、エジプト・首都カイロ(AP)【拡大】
エジプト軍は16日、隣国リビアにあるイスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」の訓練キャンプや武器庫を空爆したと発表した。これに先立つ15日、イスラム国に忠誠を誓う武装勢力が、リビア国内で出稼ぎのエジプト人キリスト教徒21人を殺害したとする映像をネット上で公開したことへの報復。シリア・イラクでのイスラム国本体のほかにも、中東・北アフリカ各地で傘下組織の脅威が高まっていることが改めて裏付けられた形だ。
エジプトがイスラム国系への空爆で他国に介入したのは初めて。今後、エジプトも参加する対イスラム国有志連合の戦線拡大につながる可能性もある。
アラブ・メディアはリビア東部デルナが空爆対象になったと報道、リビア軍も16日、中部シルトなどを空爆したと発表した。
イスラム国は今月発行のオンライン英字機関誌で、キリスト教の一派、コプト教徒のエジプト人21人をシルトで拘束したと公表していた。全員殺害されたかは直ちに確認できないが、ビデオにはオレンジ色の服を着た人質らが並ばせられ、首を切断される様子などが映し出された。(カイロ 大内清/SANKEI EXPRESS)