15日に停戦が発効したウクライナ東部の紛争は17日午前0時(日本時間17日午前7時)、ウクライナ軍と親ロシア派武装勢力の双方が、停戦合意に定められた前線からの重火器撤去を開始する期限を迎えた。しかし停戦後も戦闘が続き、互いに一方的な撤去を拒否。17日正午の段階で撤去の動きは伝えられていない。東部の要衝デバリツェボでは17日、激しい戦闘が行われたとみられ、停戦の行方には早くも暗雲が立ちこめている。
ウクライナ軍当局は16日、停戦後も親露派から100回以上の攻撃を受けたと指摘。停戦が守られていない状況では重火器撤去は困難と表明する一方、親露派も一方的な撤去はできないと主張していた。
インタファクス通信によると親露派幹部は17日、親露派が政権側部隊の6000~8000人を包囲していたデバリツェボの大半を制圧したと発表した。警察署や鉄道駅も占領したという。親露派側はウクライナ軍側に多数の死傷者が出たと述べており、激しい戦闘が行われたとみられる。親露派はまた、数十人のウクライナ軍兵士が投降したと発表した。