また桃源郷という表現は理想郷、ユートピアなどと訳されますが不老不死の仙人などの超絶的な存在が住まうところというイメージです。
このような理由から、生命力の象徴ともいえる桃を、出産という命を生みだす経験をする女子の節句のひな祭りに飾る習慣が続いているのです。
現在ではひな祭りには白酒やノンアルコールの甘酒が一般的ですが、これは江戸時代から始まった風習で平安時代には桃花酒(とうかしゅ)が盛んに飲まれていました。
桃花酒は清酒に桃の花を刻んで浮かべたり、杯に花びらを浮かべて飲むお酒です。古来には、美しく、邪気を払う力をもつ桃のお酒を飲み、季節の節目を無事乗り越えるという意味があったようです。桃の花を眺めながら桃花酒を一杯というのは何ともみやびな風情で、現代でもひかれるものがあります。