西川氏は、栃木県職員、県議を経て1996年に衆院初当選。自民党きっての農政通として知られ、自民党TPP対策委員長として、TPP参加に慎重な族議員らの説得に奔走した手腕を買われ、昨年9月の第2次安倍改造内閣で初入閣した。首相は、西川氏を林氏の後任の党農林水産戦略調査会長に据え、農協改革やTPP交渉の党内調整を委ねる考えだ。
≪重い首相の任命責任 改革の行方に影≫
昨秋の小渕優子、松島みどり両氏に続き、西川公也(こうや)農水相が自身の政治資金問題で23日、閣僚を辞任した。安倍首相は任命責任があると認めたものの、その重さを自覚すべきだ。西川氏が担当したTPPの交渉は大詰めを迎え、政府が最優先テーマに掲げる農政見直しは道半ば。浮上した疑惑の真相は明らかになっておらず、国民の政治不信が高まる懸念は拭えない。首相の唱える「改革」の行方に影を落とす恐れもある。