小渕優子経済産業相(40)は16日の参院経済産業委員会で、支持者向けに行った観劇会の費用の収支に差額があることについて「私の方で補填(ほてん)したということになれば、法律に引っかかるとの認識は持っている」と述べ、事実ならば公職選挙法に違反するとの認識を示した。
小渕氏は一連の疑惑について「私事で大変お騒がせし、心からおわび申し上げる」と陳謝。進退については「現段階では調査をしている」と明言を避けた。
小渕氏の後援会など2つの政治団体は2010、11年分の収支報告書で、支持者向けの観劇会の収入として計約740万円を記載。ところが、観劇費やバス代などの支出は2年間で約3400万円と記載した。
収支で約2660万円の食い違いがあり、支持者への格安の観劇ならば公選法が禁じる有権者への利益供与に抵触する可能性がある。
小渕氏は「実費をもらっていると承知しているが、収支の乖離(かいり)は今回初めて分かった。しっかり確認したい」と述べた。
小渕氏をめぐっては、政治資金管理団体が親族企業からネクタイなどを政治資金で購入したことも判明しており、小渕氏は「贈答品などに使った。政治活動の範囲内だ」と説明した。