首相は官邸で記者団に「政策を推進していくことによって責任を果たしたい」と強気の姿勢を崩さなかった。だが昨年の衆院選で与党に3分の2を超える議席を与えた「民意」を追い風に、先の施政方針演説で「戦後以来の大改革」を実行するとぶち上げたばかり。今回の事態は、国民の信頼に背いたとのそしりを免れない。
後任にTPP交渉や農政改革に精通する林芳正前農相を選び、影響を最小限にとどめたのは焦燥感の裏返しと映る。
西川氏をめぐっては衆院選前から、農業系政治団体から受け取った政治資金の収支報告書への記載漏れなど、不明朗な処理が指摘されていた。木材加工会社や砂糖業界からの新たな献金問題を受けた辞任劇の背景には、早期幕引きを図りたい政権の思惑も透ける。首相は十分に説明責任を果たし、政治の信頼回復に努める必要がある。(SANKEI EXPRESS)
■林 芳正氏(はやし・よしまさ) 米ハーバード大院修了。防衛相、経済財政担当相、農相。54歳。山口選挙区、参院当選4回(自民党岸田派)。