2月18日、シカゴで外交をテーマに演説する共和党のジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事。ブッシュ氏が自らの外交ビジョンを示したのは、昨年12月に大統領選出馬への意欲を表明してから初めてだった=2015年、米イリノイ州(ロイター)【拡大】
父ブッシュ政権のジェームズ・ベーカー元国務長官(84)、兄ブッシュ政権で国防副長官としてアフガン、イラク両戦争の立案に当たったポール・ウォルフォウィッツ元世界銀行総裁(71)、国務副長官として中国に「責任あるステークホルダー(利害関係者)」になるよう呼び掛けたロバート・ゼーリック前世銀総裁(61)が目につく。
「オバマ大統領は何度もアジア・ピボット(軸足)について語っているが、実行したことはほとんどない。アジアでは『あなた方はこちらではピボットと言うが、ワシントンに戻ると口にしない』といわれた」
ブッシュ氏は演説でこう述べ、同盟国である日本、韓国、オーストラリアとの信頼を構築するとともに、中国との関係を深める必要性を訴えた。安倍晋三政権の経済政策「アベノミクス」の「三本の矢」にも触れ、準備の跡をうかがわせた。
「私は私だ」
大統領選に向け、「ブッシュ家」の看板が重荷となる可能性もある。「2つの戦争」の是非をめぐる論争はもとより、米メディアではこのところ、ブッシュ氏がかつて「大統領の家族」の特権を利用していたというような報道も出てきた。