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【逍遥の児】ももんじやで「山クジラ」を食らう (1/2ページ)

2015.2.24 11:20

 夜の東京・両国。冷たい風が吹き抜ける。両国橋を目指して歩いていく。若い2人の女性が立ち止まり、なにやら、驚嘆したかのように言葉を交わしている。なんと。店頭にイノシシがつり下げられているではないか。ここだ。獣肉料理店。ももんじや。

 創業は1718年。江戸時代から続く老舗だ。正式な屋号は「ももんじや・豊田屋」という。豊田屋は当初、漢方の薬屋だった。薬の一種として売り始めたイノシシが好評で、料理店に転じたと伝えられる。

 ももんじとは、百獣(ももんじゅう)から派生した言葉という。江戸時代、獣肉を扱う料理店では、屋号の前にこの言葉をつけていた。

 当時、肉食は、はばかられた。イノシシは「山クジラ」と称し、江戸っ子たちに親しまれていた。

 2階に上がる。座敷には親しい仲間が集まっていた。まずは、ビールで乾杯。イノシシ鍋が煮えるのを待つ。

 店の女性に聞いた。

 ――この肉は、どこから仕入れたのですか

 「丹波篠山(兵庫県)でございます。猟師が捕らえた野生のイノシシです。昔から、とてもおいしいと評判です」

待望のイノシシを食らう

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