生まれてくる子供に米国籍を取得させるため、観光ビザで入国し出産する中国人ら外国籍の妊婦を滞在させていたカリフォルニア州のアパートなど計37カ所が3日、米国土安全保障省(DHS)などの当局によって一斉摘発された。中国では富裕層を中心に、出生地主義をとる米国で子供を産む“出産ツアー”が大盛況で、受け入れ先の通称「マタニティーホテル」が米国各地で運営され問題になっていた。背景には、大気汚染や食の安全問題に加え、習近平政権による反腐敗キャンペーンなどで国の将来への不安が高まっていることがあり、ある妊婦は「子供には幸せになってほしい」と訴えた。
おとり捜査官が潜入
米メディアによると、当局は3つの斡旋(あっせん)業者が運営するロサンゼルス、オレンジ、サン・バーナディーノ各郡のアパートや一軒家で家宅捜査を実施。周囲には乳児の泣き声や怒声が響きわたり、騒然となった。
裁判所に提出された書面では、虚偽目的の観光ビザ取得や不法入国者の滞在、脱税の容疑で捜査を進めるとしている。妊婦を装ったDHSのおとり捜査官がツアーに参加するなどして内偵していたという。ただ、妊婦が観光ビザで入国し、たまたま出産することは罪に問えないため、現時点で妊婦の逮捕者は出ていない。