東京電力福島第1原発事故の影響で不通が続いていた福島県内のJR常磐線、竜田(楢葉町)-原ノ町(南相馬市)間46キロで、代行バスの運行が始まって1カ月余り。当初、平日の乗客は4~5人にとどまっていたが、休日には20人近くが乗ることもある。運転本数は朝夕2往復に過ぎないが、利用者には貴重な足になっている。
代行バスは昨秋、常磐線沿いに走る国道6号の自由通行再開を受け実現。原ノ町駅から南へ向かう上りバスから見た風景は被災地の現実を物語っていた。日常生活が戻りつつある原ノ町駅付近、除染や津波被害の復旧工事が続く南相馬市小高区と浪江町。帰還困難区域の双葉、大熊両町では荒れ果てた建物が道路の左右に連なり、なかには倒壊した家屋も。町中の時間が4年前で止まっていた。
次に見えたのは福島第1原発の煙突と作業用のクレーン。富岡町では原発に向かう作業員のバスや、資材運搬のトラックとのすれ違いが一気に増えた。国道脇の仮置き場には、除染で出たゴミを入れたビニール袋が積まれていた。バスは約1時間で竜田駅に着いた。