車窓を眺めていた桑折(こおり)礼子さん(67)=南相馬市鹿島区=は「震災後、初めて原発事故の状況を見た。自分が知るかつての町の雰囲気はなかった」と、言葉少なだった。
一方、3月最初の日曜日、竜田駅を出発する下り代行バスには20人が乗り込んだ。地元の利用者だけでなく常磐線で北へ向かう旅行者も。乗客は原発事故で時が止まった被災地の光景に息を飲み、カメラのシャッターを切っていた。
宮城県気仙沼市に向かう途中だった、愛知県岩倉市の農業、水野幸司さん(34)は「一部で除染が行われていたが、帰還困難区域は町に人の気配がなく異様。4年間も手つかずとは…」と、目の当たりにした現実に驚いていた。(写真報道局 早坂洋祐/SANKEI EXPRESS)