僧服でマドンナのカバー
異色といえば、シスター・クリスティーナほどユニークな存在はいないかもしれない。現役の修道女でありながら、普段の格好のまま「ザ・ボイス・オブ・イタリー」というオーディション番組に出演。アリシア・キーズのナンバーを熱唱し、一夜にしてスターの座を射止めた。その後ユニバーサルミュージックと契約し、昨年末にヨーロッパでデビュー。日本でもアルバム「シスター・クリスティーナ」が大きな話題になっている。マドンナの「ライク・ア・ヴァージン」をはじめ、シンディ・ローパーやコールドプレイのカバーを中心にセレクトした本作からは、歌のうまさが伝わるだろう。イタリア語曲が少ないのは少し残念だが、オリジナル曲の「ラモーレ・ヴィンツェーラ」を聴く限りではまだまだ引き出しはありそう。今後の展開に期待したい一人である。(音楽&旅ライター 栗本斉(ひとし)/SANKEI EXPRESS)