合言葉は「タンクローリー!」。(左から)中村洪太さん、文子さん、小春さん、一般社団法人「Get_in_touch」理事長の東ちづる、片岡聡さん、菊地啓子さん。菊地さんのドレスはこの日のためのお手製(越智貴雄さん撮影)【拡大】
「健常者の社会に過剰適応してきた自分すごくつらくて、今、だんだん、ありのままでいいと思えるようになってきた」。そんな彼は知的障がいを伴う自閉症の人たちにシンパシーを覚えるという。「僕が黙って座っていると会話を理解しているように勘違いされるけど、実は5分の1くらいしかわかっていない」。周囲から何でもひとりでできるだろうと誤解され、放置されることがつらい時もあると告白する。
一人の人として向き合って
話を聞いている最中、ふと気づいた。この部屋にいる半分以上の人が自閉症だと。いつものマイノリティーとマジョリティーの逆転だ。そして、さらに気づいた。なぜ私たちは、そんなふうにカテゴライズするんだろうと。十人十色というが、自閉症とカテゴライズされた人も当然そうなのだ。一人一人が違う。だからこそ、専門的な知識がなくても、一人の人として向き合ってくれる人がいることで、当事者や家族の暮らしは格段に楽になるようだ。