揺るぎない精神力
13年前の神宮球場。早大の背番号1番が放った鮮やかなアーチが超満員の右翼席へ吸い込まれていったのを今も鮮明に覚えています。優勝の掛かった伝統の早慶戦。試合を決定づける圧巻の一発でした。湧き上がる学生たちの大声援を背に、一塁を守る私の前を、表情を全く変えることもなく通り過ぎ、淡々とダイヤモンドを一周。まるで感情がないようにも思える孤高の人。これが、1学年下の「鳥谷敬」というアスリートへの印象でした。「感情、そして表情がない」という表現は、どんな大きな舞台であろうと決してひるまないたくましき精神力を表す言葉なのかもしれません。
技術だけでなく、精神力な強さも大学時代にすでに完成されていました。阪神入団後はスター街道を突き進みました。2年目にリーグ優勝を経験。その後も中軸を担う打撃だけでなく、守備でも難しい局面で球際の強さを発揮しました。