球春。球正月。
球界の1年はキャンプインの2月1日に始まる。南から西から、快音が響く。今季はどんなドラマが繰り広げられるのか。2月の準備がすべてを決するという野球人もいる。
DeNAの沖縄・宜野湾キャンプには5日、元ヤンキースの松井秀喜氏(40)が視察に訪れた。巨人の先輩、中畑清監督(61)の熱烈な要請に応えて実現したものだ。
ゴジラ見たさに訪れた観衆は約2000人。報道陣は前日の36人を大きく上回る164人が集まった。中畑監督の策略がはまり、青いDeNAの球団ジャンパーを着込んだ松井氏が現れると、当の監督は「似合うね」を連発。「もともとウチの選手だったのかな」
松井氏にすれば、12年前に59歳で亡くなった中畑監督夫人の仁美さんに自宅で振る舞われた食事の恩返しの意味が大きかったらしい。
恩義につけ込む形でキャンプ招請にこぎつけ、ご満悦の中畑監督だが、それだけでは飽きたらず、嫌がる松井氏をついにフリー打撃の打席に立たせることにも成功してしまった。