その中でも、彼は冷静さを失っていませんでした。自分の気持ちに語りかけ、自らの肉体と相談し、大きな決断を下しました。それが、「もう1つの夢を追う」ための阪神残留だったのです。
その夢は言うまでもありません。「阪神で優勝する」ことでした。生え抜きとして阪神を優勝に導くことと、メジャー挑戦という2つの夢に挟まれ、葛藤していた彼が最終的に選んだ結論でした。
そして、インタビューで見せたすがすがしい表情は、プロとしての2つの夢を1つに絞ることができたからこそのものだったのでしょう。
彼は言いました。「もう個人的なことは考えない。阪神でいま、何が欲しいのかを考えたとき、やはり優勝の二文字しかない」。力強く答える表情は、かつて表情がないようにも思えた鳥谷選手と同じ人物には思えませんでした。