【続・灰色の記憶覚書(メモ)】
昨年の6月から仙台の地で稽古を始め、先月の16日に幕を開けた『蛙(かえる)昇天』が、週末の新潟公演でもって終了する。のだけれど、私としては作っては消え、また作っては消えてしまう現在の主要な演劇の様(さま)に一石を投ずるべく、出演者たちやスタッフに、この作品の継続を強く訴えている。条件が全てそろわなくとも、不足している部分をどう埋めるかということを考えながらやれば、どんな空間でもやれないことはない。もちろんセットを持ち込めれば幸いだが、どうしてもそれがかなわないときに果たしてやすやすと諦めるのかどうなのかということも含め、よくよく考えて進めていきたい。
そもそも2回の休憩込みで3時間15分という大作である。これを劇団でもないのにレパートリーとして各地へ持ち歩こうというのはなかなかのことであろうが、何とか次の一歩を踏み出さないことには全て夢語りで終わってしまう。
新潟を終えておいしいお酒をのんで解散する方がうんと楽なのは重々承知の上で、新潟の千秋楽を新たなる航海への旅立ちとしたい。