秋葉原駅クリニック院長、大和田潔さん。診療と執筆で多忙な毎日だが、ランニングと水泳を欠かさない。「体が軽くなれば動くのが楽しくなる。運動をすれば気持ちも前向きになる」=2014年9月2日(塩塚夢撮影)【拡大】
いろいろな手掛かりをもとに、他の臓器を探してみることにしました。すると、なんと胃から成長ホルモンを分泌させる物質が大量に放出されていることに気が付き、それを精製して世界に先駆けて発表しました。成長ホルモン「growth hormone」を分泌させるもとになるものという点から、グレリン「ghre(=growth)+lin」と名付けられ、1999年に発表されました。グレリンは、頭の部分に大きな分子が結合している不思議な形であることも明らかにしました。
グレリンは成長ホルモンの分泌を促すだけではありませんでした。他のいろいろなペプチドホルモンと異なり、血液中に放出されるだけで脳のレセプターに結合して食欲を増加させることもわかりました。
胃から分泌されるホルモンが脳に働くというのは、とても興味深いシステムです。なんと胃は、単に食べ物を消化するだけではなく、エネルギー代謝に指示を出す指揮者でもあったのです。(秋葉原駅クリニック院長 大和田潔/SANKEI EXPRESS)