市民に愛され、日本中から観光客を集める桜の陰には、実は他所とは違う秘密が隠されていました。「桜切る馬鹿(ばか)、梅切らぬ馬鹿」という故事があるように、桜、特にソメイヨシノは病気に弱く切り口が腐りやすいため、切ってはいけないとされてきました。しかし弘前では、リンゴの栽培に欠かせない剪定(せんてい)の知識や技術を参考にし、短命であると考えられていたソメイヨシノを若返らせることができるようになりました。それが、1960年頃より継続されてきた弘前方式。生きた枝でも弱っているものは剪定し、若い枝を伸ばして花芽を多くするという桜の管理方法です。
弘前市役所の「チーム桜守」は、まちの誇りである桜を守り、後世へとつなぐために発足しました。その一人が橋場さんです。地元に生まれ、子供の頃から弘前の桜に親しみ、桜とともに成長してきました。高校卒業後上京し美容関係の仕事に就いたのですが、一生の仕事を模索するために故郷へUターン。樹木医制度を知ったのも、その頃でした。「あんなに素晴らしい桜を咲かせる、弘前の樹木医に師事したい」と、25歳で樹木医を目指す決意をし、(財)弘前市公園緑地協会(当時)の作業員として植物園で働き始めます。実務経験を積みながら樹木医の資格を取得。2014年、市の公園緑地課職員に採用され、晴れて夢だった「桜守」に。