協会時代から土壌改良や木々の剪定作業に同行し、「弘前方式」の管理方法の指導も受けてきた経験を生かし、日々園内の木々を見て回ります。小枝の剪定は通年。病気になった部分は直径20~30センチも切り落とすこともあるといいます。古い枝の手毬のような咲き方と、若い枝のブラシのようにたっぷりと花をつけるバランスを想像して入れるハサミ。それは翌年の花ぶりはもちろんのこと、10年後この樹がどんな花を見せてくれるのか創造することなのだそうです。故郷を思い、「市民の宝」大好きな桜を守り続けることに、ひたむきな情熱を注いでいる橋場さん。歴代の桜守の技術と情熱のたまものが、この地に見事な花を咲かせてきました。
弘前の桜は花で楽しませるだけではありません。剪定された幹や枝は木工品に加工されたり、花芽のついた枝は週に1度、大切に花を咲かせてくれる市民のもとにもらわれていきます。腐って使うことのできない部分は木炭にし肥料へ。昨年からは「ふるさと納税」の御礼として剪定枝で作った箸も仲間入り。箸の加工で出る木クズ(チップ)からはワックスが抽出され、津軽こぎん刺しの香り袋として、さくらまつりの限定商品として販売されることになりました。