殺人容疑で逮捕・訴追されたロバート・ダースト容疑者(右から3人目)。自ら出演したドキュメンタリー番組でうっかり過去の殺人を“自白”してしまったことで逮捕された=2014年12月10日、米ニューヨーク(ロイター)【拡大】
「証拠能力」見方分かれる
番組を収録していた2年前に録音されたもので、製作を手掛けたアンドリュー・ジャレッキー監督が数カ月前に偶然発見し警察に提出。これが逮捕のきっかけになったという。ジャレッキー監督はCBSの取材に「(自白は)とても恐ろしく、聞く者を不快にさせる」などと語った。また、「われわれはいつも彼にマイクを付けており、彼もそれを知っていてトイレに行った」と述べ、真実の告白だった可能性にも言及した。
ただ、録音の証拠能力について、専門家の意見は分かれている。米フォーダム大学の法学教授ジェームズ・コーエン氏はCBSに、「(彼を起訴するための)非常に強力な証拠になる」との見方を示した。
一方、有名なO・J・シンプソン事件で無罪を勝ち取った弁護団のメンバーで米ハーバード・ロー・スクール教授であるアラン・ダーショウィッツ弁護士は、ネットテレビニュースCBSNで「単に曖昧な発言とみなされる。弁護側は精神不安定時の発言と主張するだろう」などと語り、裁判で有罪となる可能性は低いとの見方を示した。(SANKEI EXPRESS)