もともと、劣化が進んでいた上に豪雨などで痛みが激しくなったポンペイ遺跡については、遺跡を世界遺産に指定しているユネスコ(国連教育科学文化機関)がイタリア政府に修復を急ぐよう促し、遅れるようなら世界遺産から除外すると警告していた。財政難のイタリア政府は、EUから1億500万ユーロ(約140億円)の支援を受け、2013年5月から修復作業を開始。作業は16のプロジェクトに分け、これまでに秘儀荘修復を含めて3つのプロジェクトが終了し、今年中に残りの13プロジェクトを仕上げることになっている。
「残りの修復作業も順調だ。イタリアはやることが遅いとか怠慢だとか批判もされたが、最大のヤマの秘儀荘が片付き、大きな自信になった」とフランチェスキーニ文化相は力を込めた。
秘儀荘は、ポンペイ遺跡の城壁の外れにある邸宅で、「ディオニソスの儀式」と称されるストーリー性のある壁画で有名だ。18世紀以降、遺跡の発掘が進み、その壁画の存在が明らかになると、色鮮やかな保存状態の良さに人々は驚嘆した。今回の修復作業でも、建物や床、門構えの修繕は行われたが、絵画そのものはほとんど手が付けられていないという。