【Viva!ヨーロッパ】
オーストリアの首都、ウィーンといえば、「音楽の都」としてあまりにも有名だ。長く中部ヨーロッパの文化の中心をなし、19世紀後半まではドイツ語を母語とする民族全体の“帝都”でもあった。日本人にとってもウィーンは欧州観光の定番になっているが、意外と知られていない素顔も持ち合わせている。AP通信が写真とともに配信した記事を元に、「宴」「水」「景勝」の3つのキーワードでウィーンの新たな魅力を探ってみた。
大みそか 街頭舞踏会
ウィーンの人々が新年を迎える「宴」は壮麗だ。大みそか(シルベスター)には、街の随所に「シルベスター村」が出現して夜通し、街頭舞踏会が行われる。
2014年から15年にかけても、市庁舎前の広場には観光客も含めて延べ十数万人の人々が集まり、シルベスター舞踏会に興じた。ユニークなのは、楽曲がクラシックに限定されておらず、ロック、ジャズ、ソウル、ラテンミュージック…等々、多岐にわたり、合わせて12ステージも行われたことだ。まさに国際観光都市の面目躍如といったところだった。