ただ、多様性が進む中でも、年が替わって最初に流される楽曲は、毎年「美しき青きドナウ」に決まっている。ヨハン・シュトラウス2世(1825~99年)によって1867年に発表されたこのワルツの名曲は、ウィーン市民のみならずオーストリア国民全体にとっても「第二の国歌」と称されるほど愛され、親しまれているのだ。
アルプスの湧き水
ウィーンは「水」がうまいことでも欧州随一の都市である。ヨーロッパでは先進国の首都でさえ、日本人観光客や駐在員は水道水を飲まず、ボトル入りのミネラルウオーターを買うことが多いが、ウィーンでは安心して水道水が飲める。「ウィーン水」は知る人ぞ知る欧州の名水なのだ。
ウィーン水の特徴は、アルプスの自然な湧き水であること。市中心部から約160キロ離れた水源から、ローマ時代の遺跡を見るようなシンプルな水路で水を運んでいる。くみ上げたり搬水のためにポンプなどの機器類は一切使っておらず、世界に誇る水質であることがウィーンっ子の自慢だ。