クリスマスイブに何かあったのかと思い心配して追いかけ尋ねると、「はい、クリスマスプレゼント」と言い差し出された袋の中に入っていたのが『坂の上の雲』だったのです。私たち親子が機関車トーマス以来、一緒に見て感動できたドラマの原作本でした。まさか、この年になってもサンタさんがくるなんて思いませんでした。しかも、プレゼントのセレクトが粋です。
その日から、スマホの時間を減らして小説を読む人になりたいと誓いました。しかし、スマホの力に負けてなかなか『坂の上の雲』を読み始めることがでませんでした。
そこで冒頭で説明しましたように、iPhoneのバッテリー駆動時間を持たせるためと決めたら、司馬遼太郎の世界にぐいぐい引き込まれていったのです。ドラマでは阿部寛が演じた信さんしかでてこない数十ページのところですが、信さんがどうなっていくのか気になってしょうがありません。ドラマでは信さんの弟役を演じたモックン(本木雅弘)ファンの私はモックンしか見ていなかったので他の登場人物のことをほとんど覚えていませんでした。